歯科衛生士の離職率は何%?離職率が高い理由や退職理由などの実態を解説
2026年01月15日
皆様こんにちは!
横浜市鶴見区にありますインプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜歯周病治療のうえの歯科医院歯科助手・管理栄養士兼トリートメントコーディネーターの高岡です。
今回は、歯科業界に興味がある方や、これから歯科衛生士を目指す学生さん、そして現在現場で働いている同業者の皆さまからもよくご質問をいただく「歯科衛生士の働き方」について、少し踏み込んだお話をしたいと思います。
テーマは、「歯科衛生士の離職率は何%?離職率が高い理由や退職理由などの実態を解説」です。
お口の健康を守るスペシャリストである歯科衛生士。国家資格を持ち、非常にやりがいのある仕事ですが、実は「離職率が高い」「人手不足」という言葉を耳にすることも多いですよね。その実態はどうなっているのでしょうか。

■歯科衛生士の離職率は何%?
まず、気になる数字の部分から見ていきましょう。
「歯科衛生士は辞める人が多い」というイメージは、データにもある程度反映させられています。
◇歯科衛生士の8割が転職経験あり
日本歯科衛生士会が実施した実態調査などのデータ(第7回歯科衛生士の勤務実態調査報告書等)を紐解くと、驚くべきことに、歯科衛生士の約8割が「これまでに転職を経験したことがある」と回答しています。
新卒で入職した歯科医院で定年まで勤め上げるというケースは稀で、多くの歯科衛生士がライフステージや環境の変化に合わせて職場を変えているのが現状です。一般的な職業と比較しても、この「転職経験率」の高さは歯科衛生士という職種の特徴の一つと言えるでしょう。
◇【厚生労働省】歯科衛生士の有資格者は約30万人でほとんどが女性
厚生労働省の統計によると、歯科衛生士の免許保持者は全国に約30万人存在します。しかし、そのうち実際に現場で働いている「就業歯科衛生士」は約14万〜15万人程度に留まっています。
つまり、資格を持っている人の約半数が、現場を離れている「潜在歯科衛生士」なのです。
そして、この資格保持者のほとんどが女性であることも、離職率や働き方に大きな影響を与えています。女性のライフサイクルと仕事の両立という課題が、顕著に現れる職種だと言えるでしょう。
■歯科衛生士の離職率が高い理由
なぜ、これほどまでに離職や転職が多いのでしょうか。それには歯科業界特有の構造や、働く環境が大きく関係しています。
◇ライフイベントに合わせて離職するため
最も大きな理由は、女性が多い職種であるがゆえの「ライフイベント」です。
結婚、出産、育児、そして親の介護。これらのタイミングで、フルタイム勤務が難しくなったり、一度現場を離れざるを得なくなったりすることが多いのです。
特に歯科医院は小規模な組織(個人経営のクリニック)が多いため、育休・産休の制度が整っていなかったり、短時間勤務への変更が難しかったりするケースもあります。
◇人間関係や労働環境・条件で離職するため
もう一つの大きな理由は、「狭いコミュニティでの人間関係」や「過酷な労働環境」です。
歯科医院は院長(歯科医師)と数名のスタッフという少人数で運営されることが多く、一度人間関係に悩み始めると逃げ場がなくなってしまうことがあります。
また、
・予約が詰まっていて休憩が取れない
• 残業代が適切に支払われない
• 有給休暇が取りにくい
• 教育体制が整っておらず、スキルアップが見込めない
といった労働条件への不満が積み重なり、「もっと良い環境があるはず」と転職を決意するケースも少なくありません。

■歯科衛生士の主な退職理由
さらに具体的に、現場の声として上がってくる退職理由を見ていきましょう。
◇結婚・出産・育児などのライフスタイルの変化
先述の通り、これは最大の理由です。「子供が小さいうちは、夜遅くまでの診療(19時や20時まで)に対応できない」といった理由で、やむを得ず退職を選ぶ方が多いです。
◇仕事内容(キャリアアップ・キャリアチェンジ)
「今の医院ではスケーリング(歯石除去)ばかりで、もっと高度な歯周治療やインプラントのアシスタントを学びたい」という向上心からの退職です。また、一般歯科から矯正専門、小児専門など、自分の興味がある分野へキャリアチェンジを希望する場合も含まれます。
◇職場の人間関係
「院長との方針のズレ」「スタッフ同士の派閥」など。少人数の職場だからこそ、相性が合わないと精神的な負担が大きくなってしまいます。
◇給与・待遇
「仕事量に対して給与が見合わない」「昇給がない」「社会保険が完備されていない」といった現実的な問題です。特に最近は、福利厚生が充実した医院が増えているため、比較して転職を考える人が多い傾向にあります。
◇健康上の理由
歯科衛生士は、無理な姿勢で処置を続けることが多いため、腰痛や腱鞘炎、頸椎のトラブルを抱えやすい職業です。身体的な限界を感じて離職する方もいらっしゃいます。
◇家庭の事情
親の介護やパートナーの転勤など、本人の意思とは別に、生活環境が変わることで仕事を続けられなくなるケースです。
■歯科衛生士を退職したあとは?
退職した歯科衛生士の方々は、その後どのような道を歩んでいるのでしょうか。
◇歯科衛生士として別の職場で働く
多くの方がこの道を選びます。歯科衛生士は有効求人倍率が非常に高く、国家資格という強みがあるため、「次の職場を見つけるのが比較的容易」という側面があります。より条件の良い、あるいは自分のライフスタイルに合った別の歯科医院へ移ることが多くあります。
◇歯科衛生士以外の職種に転職する
「一度歯科業界から離れてみたい」と、一般企業の事務職や接客業、美容業界などへ転職する方もいます。しかし、給与水準や専門性を考えると、最終的には歯科に戻ってくる方も少なくありません。
◇仕事以外に専念する
専業主婦として育児に専念したり、学業に戻ったりするケースです。
■非就業歯科衛生士における再就職の意向
現在働いていない「潜在歯科衛生士」の皆さんは、もう二度と戻りたくないと思っているのでしょうか?
厚生労働省の調査等によると、実は「条件さえ合えば、また歯科衛生士として働きたい」と考えている方は非常に多いことが分かっています。
特に、「子育てが一段落したから」「パートタイムでなら働ける」といった再就職の意向を持つ方は一定数存在します。この「働きたいけれど、フルタイムは難しい」という層と、歯科医院側のニーズをどうマッチングさせるかが、業界全体の課題となっています。
■歯科衛生士はブランクがあっても復職できる?
「数年のブランクがあるけれど、今の歯科医療についていけるのかな…」と不安に思う方も多いですが、結論から言うと、復職は十分に可能です!
◇就職を希望する人は多い
潜在歯科衛生士の復職意欲は高く、実際に40代、50代で現場に戻り、バリバリ活躍している方もたくさんいらっしゃいます。
◇歯科衛生士の需要は高い
現在、日本の歯科医院の数はコンビニよりも多いと言われ、どこも慢性的な歯科衛生士不足です。そのため、ブランクがあっても「丁寧に教えるので、ぜひ来てほしい」という医院は非常に多いのです。
◇地方自治体による復職支援制度やセミナーもある
「最新の器材の使い方がわからない」「手技を忘れてしまった」という方のために、各都道府県の歯科医師会や歯科衛生士会が「復職支援セミナー」を開催しています。模型を使った実習や、最新の知識の講習を受けることができるため、自信を持って現場に戻るサポート体制が整いつつあります。
■まとめ
歯科衛生士の離職率が高いという現実は、言い換えれば「自分のライフスタイルに合わせて、柔軟に職場を選び直せる職種である」とも捉えることができます。
もちろん、一つの医院で長く勤めることも素晴らしいことですが、結婚や育児などの変化を受け入れながら、専門職として一生輝き続けられるのは、この仕事の大きな魅力ではないでしょうか。
うえの歯科医院では歯科衛生士の採用に関わることをサポートしているのでよろしければお問い合わせください。
お口の健康を守る仲間として、あなたが自分らしく働ける場所を一緒に考えていきましょう!

【 所属 】
医療法人VERITAS理事長
国際インプラント学会(ICOI)会員
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
